アルコールストーブってどれがいいの? 〜前編〜

キャンプギア

軽量・コンパクトで嵩張らないことから、登山やULキャンプに人気のアルコールストーブ

軽量化を進めている方の中には、定番のガス缶シングルバーナーは持ってるけど、アルコールストーブも購入を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私もその一人でしたが、お小遣いキャンパーたる者、ギアチョイスの失敗は幾度もできません。なので、購入前の知識ゼロからとことん調べ尽くしました。

今回はそんな私が調べた調査結果を前半、後半に分けて公表させていただくのと、最後には実際に私が購入に至ったアルコールストーブの使用感をご紹介いたします。

アルコールストーブとは

調査を進めた結果、アルコールストーブを簡単に説明すると、「アルコールを入れて火をつけ、調理できる入れ物」という理解をしました。

あくまでも「調理できる入れ物」です。購入にあたって、他の用途にも使用できるかを検討しました。

まずは暖房です。アルコールストーブにヒーターアタッチメントを取り付けて暖を取れれば一石二鳥になるのでは?と調べましたが、淡い期待でした。暖を取るには燃焼時間が短いのと、熱量が暖を取れるほどではないようなので、暖房として使用するのは無理があるようです。

次に検討したのが灯りとしての使用でしたが、どうもランタンの代わりにはならないようです。燃焼時間が短いことに加えて、燃えてるアルコールの色は主に『青』でして、あまり明るくないです。家庭にあるガスコンロの火のような色といえば分かりやすいかと思います。中にはオレンジ色に燃える器具・燃料もありますが、どちらにしろ照明として使えるほど明るくはないです。

出典:Amazon

結局、アルコールストーブは単に「調理に使うもの」であり、暖房や照明などの他の用途には使えないという結論に達しました。

また、調理といっても、燃焼時間が短いのに加えて、火力調整が基本できないので、複雑な調理には向きません。アルコールストーブは「お湯を沸かす」「温め直す」程度の簡単な料理に使う道具になります。

なぜ欲しいのか?

私はイワタニコンパクトシングルバーナーを持っており、これで不自由を感じたことはありませんでした。

「アルコールストーブかっこいいな〜、欲しいな〜」くらいの所有欲だけで興味を持っていた私ですが、ある日、近所にチェアリングに出かけた時のことです。

その日の持ち物はコンパクトチェア、コンパクトテーブル、マグ、ポット、水、コーヒー、シングルバーナー、CB缶、の8点で、このうちチェアとテーブルを除いたものが調理に使うものになります。

この6点のうち、バーナーとCB缶がとても嵩張りました。どうにもスタッキングできず、収まりが悪く、他のミニマルな持ち物との相性があまり良くないと気づいたんですね。

スタッキングしやすい

それを解消するものがアルコールストーブと考えました。マグの中に燃料と一緒に入れてしまえばスッキリ収まり、軽いので持ち歩きも楽になりそうです。徒歩デイキャンプや軽装で出かける時は、行動そのものに重点を置いているので、正直、料理は簡単に済むもので十分だということに気がついたんですよね。ポットの中に全て収まればそれが一番良いと。

クッカーとスタッキングするならOD缶でもできますが、もしOD缶用バーナーを買ったら、手持ちのCB缶バーナーを使わなくなるだろうと思ったのと、バーナー自体が高い&燃料が高いといった理由で、比較検討したところアルコールストーブに軍配が上がりました。

構造がシンプルで壊れにくい

また、アルコールストーブは簡単に自作することができるくらい構造がシンプルですし、多少雑に扱って凹んだりしても使用できる点もいいですね。アウトドアギアである以上、壊れにくさはポイント高いです。

また、寒かったり暑かったり環境が悪くても、突然の雨などで水に濡れても、気にせず使用できる点も良いです。(風には弱いので風防必須です。)

燃料の種類

さて、そんなわけでアルコールストーブの購入を検討し始めたわけですが、次に調べたのがアルコール燃料です。

アルコールストーブで使う燃料は、一般的に「燃料用アルコール」と「消毒用アルコール」の2種類あるとのことです。あと、最近は燃料用の中でも毒性の少ない「バイオエタノール」の使用も耳にするようになりました。

一般的には燃料用アルコールを使用するようですが、ケガをした時や食事の前の消毒などにも使えそうということで、消毒用アルコールも検討してみました。

燃料用アルコール

主成分:メタノール(メチルアルコール)

特徴:危険だけど火力が強い、煤が出ない、安い

ドラッグストアに売っています。劇薬に指定されるほど人体に有害です。飲んだら失明・死亡の危険性がありますので、直火で食料を焼くのも控えたほうが良いです。

ただ、燃焼効率はとても良く、高温の炎が出るのが特徴です。煤もほぼ出ません。

ちなみに燃焼効率が良い高温の炎は、『青く』なります。なので、燃料用アルコールを使用した時の青い炎は良い炎です。たまに燃料用アルコールを使ってるのに赤い炎が出るアルコールストーブがあるようですが、それは燃焼効率が悪く、良い商品とはいえません。

あとは、他のアルコールに比べて「価格が安め」です。これはお小遣いキャンパーの私にとって地味に嬉しい点です。燃料は消耗品なので、いくら良いギアを選んでも使うたびに懐が痛むのは本末転倒です。限られたお小遣いの中での活動なので、低コストで高付加価値を求めたい私にとっては結構大事なポイントです。

現在、キャンパーにとって最も主流なアルコールです。

消毒用アルコール

主成分:エタノール(エチルアルコール)

特徴:安全、火力弱め、ちょっと高い

コロナ禍で品薄となった除菌や消毒ができるアルコールです。第一に、安全です。ケガをした時の応急処置としても使用できますし、手についたとしても燃料用アルコールほど危険はありません。入手しやすく、コンビニなどでも買えます。

ただ、燃料用アルコールより火力が弱く燃焼効率は悪いです。炎はオレンジ色なので日中でも目視できるようですが(燃料用アルコールの青い炎は日中見えない)、環境によってはお湯を沸かそうにも十分に沸騰し切らないこともあるようです。火力が弱いので、同じ量のお湯を沸かすにも、より多くのアルコールが必要になります。

そして燃料用アルコールに比べると、ちょっと値段が高いです。ガスや薪と比べるとそこまで高くないですが、そこは消耗品である以上、やっぱりシビアになります。

バイオエタノール

主成分:バイオマスエタノール

特徴:環境にやさしい、火力弱め、手に入りにくい

原材料はサトウキビやトウモロコシ、テンサイなどで、再生可能エネルギーとして注目されています。消毒用アルコールの主成分であるエタノールの一種で、とても環境に優しいエタノールといった位置付けです。(実際は作るのに化石燃料を使うので環境に良いかは議論されてるところです。)

消毒用と似たような配合でできていますが、こちらは燃料用として作られています。燃え方は消毒用と同じようにオレンジ色の炎が出ます。

まだまだ安く出回っていませんし、ドラッグストアなど市販では見かけません。

また、室内・テント内で使える焚き火台として、この燃料を使ったバイオエタノール暖炉というジャンルが少しずつ台頭してきているように感じます。

オイルは使えない

以前、アルコールストーブもオイルランタンもどっちも持っていなかった時に、「ランタンの燃料と、アルコールストーブの燃料は一緒にできないだろうか?」と疑問に思ったことがあります。

ただ、結論から申し上げると、『絶対に兼用してはならない』ようです。

名前の通りですが、アルコールストーブの燃料は「アルコール」、オイルランタンの燃料は「オイル」で、アルコールとオイルは全く別物です。

ここでは詳細は割愛しますが、

オイルランタンでアルコール→爆発!

アルコールストーブでオイル→火が不安定、クッカーが煤だらけになる

ということで、どちらも効率が悪いだけではなく、危険を伴うようです。

燃料の種類について色々お伝えしてきましたが、結局のところ、特別な理由がなければ「燃料用アルコール」一択で良いと思います。

燃料用アルコールにも色々種類はありますが、私はその中でも定価格なコチラを使っています。

他の燃料用アルコールを使ったことがないので比較はできませんが、不満も問題もなく使っています。

続きは後編で

ということで、前半ではアルコールストーブと、その燃料について書いてきました。後半では実際にどのアルコールストーブを選べばいいか、製品の特徴について触れていきたいと思います。

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