ゼロシューズのメサトレイル2で48km歩いてきた使用感をレビューします

ハイキング

ハイキング用のシューズとしてベアフットシューズが注目されて暫く経ちますが、その中でゼロシューズのメサトレイル2を実際に購入し、1泊2日で48kmほど歩いてきたのでその感想をお伝えします。

ベアフットシューズとは

barefoot(裸足)、shoes(靴)。⇒裸足感覚で履けるシューズ、と認識しています。

私の考えるベアフットシューズの条件は以下の3つです。

  • つま先と踵の高低差が無いゼロドロップである
  • つま先部分(トゥーボックス)が広く、指を締め付けない形状
  • ソールが薄く、地面のコンディションを足裏から感じる事ができる

この前提に則って話を進めていきます。

ゼロシューズ(XEROSHOES)とは

XEROSHOES(ゼロシューズ)|ケンコー社 公式サイト
軽量、フレキシブル、超快適な「XEROSHOES(ゼロシューズ)」のブランドサイト。ゼロシューズのコンセプトや製品ラインナップをご紹介。

サンダルが有名なアメリカのブランド。よりシンプルで素足(ベアフット)に近い状態で歩く/走ることを目指しているメーカー。そのため、クッションやサポートなどの身体を補助する機能がほとんど無いことが特徴です。また、ソールには自信を持っていて、ゼロシューズの多くのモデルには5,000マイル(約8,000km!!)保証が付いています。サンダルが有名ですが、スニーカー多数も出しています。

メサトレイル2(MESA TRAIL II)とは

素足感覚を存分に味わえるナチュラルランニングシューズ。フラットなソールでロードランニングはもちろん、ジムトレーニングやフィットネス、お散歩やウォーキングなどマルチに対応するシリーズです。

輸入代理店 ケンコー社HPより

との事ですが、私的な解釈はちょっと違います。どちらかというとゼロシューズの中でもトレイルに特化した代表モデルという印象です。現に本国ホームページでは、こう書かれています。

WE MAKE TRAIL RUNNING SHOES SO COMFORTABLE, YOU’LL FORGET THEY’REEVEN ON. (私たちのトレイルランニングシューズはとても快適なので、履いているのを忘れてしまうほどです。)

xeroshoes.comより抜粋

トレイルランニング」と記載があるように、ロードよりはトレイルに向いたシューズだと思っています。ロードランニングやジムトレーニングならPRIOHFSのほうが適していると思います。

というか、ここまで執筆していて気づきましたが、輸入代理店のケンコー社さんのHPにはメサトレイルにもPRIOにもHFSにも同じ文言が書かれていました。。。

他に候補となったモデル

ベアフットシューズを購入するにあたり、他に候補となったモデルをご紹介します。検索して分かりましたが、メサトレイル2は次に挙げる5つの候補に比べて圧倒的にレビュー数やSNS検索数が少なく、この中ではマイナーな位置付けだと感じています。

VIVO BAREFOOT – PRIMUS TRAIL SG

VIVO BAREFOOT公式HPより

今やベアフットシューズといえばこのメーカー!と言っても過言ではない有名メーカー。そのトレイルモデル。ここでは詳しく書きませんが、ソールの種類がFG、SG、ESCの3つあって、私の好みのSGソールはオールウェザーモデルしか展開いなかったので諦めました。また、FGソールのアッパーは好みでしたが、ソールもアッパーも耐久性が低いという記事をよく見かけるのも気になるポイントでした。

MERRELL – TRAIL GLOVE 7

ソールの薄さは好みです。デザインも◎。そして価格も良心的だったんですが、ゼロシューズやビボベアフットに比べてシューズ自体が細身で、私の足には合いませんでした。

また、親指部分のトゥーガードが結構硬いです。なぜかわかりませんが私の右足の親指は爪が上向きに伸びるので、トゥーガードに爪が当たって違和感がありました。きっと靴下がすぐに穴あきになると予想しました。

ALTRA – LONE PEAK

ベアフットシューズではありませんが、ゼロドロップでトゥーボックスが広いシューズとして候補に入れていました。正直、最もフィット感が良かったのはローンピークでした。

ただ、私が検討していた時のモデルはローンピーク7か8の頃で、いかにもスポーツシューズなカラーリングがちょっと好みではありませんでした。そして、やっぱりペラペラソールを履いた時の足裏感覚が楽しく、今回は断念しました。

ALTRA – OLYMPUS 5

ローンピークより更にソールをしっかり作った厚底モデル。デザインはドンズバ好みですが、候補の中では一番重い。そしてベアフットシューズでもないので履いた瞬間候補から外しました。でも次買うならローンピークかコレかな、と思っています。

地下足袋

元祖ベアフットシューズ!周り回ってカッコいい気がして、一時期本気で取り入れようと思ってました。ただ、調べても調べても綿以外の素材が出てきませんでした。仮にちょっと雪がチラつく季節の山行で、足が川に落ちてしまったとします。綿だとなかなか乾かず、場合によっては凍ってしまう可能性も考えると、ちょっと手を出しにくい気がします。あとは電車などでアクセスする時に、周りの目を気にする自分を想像して却下しました。

メサトレイル2の入手難易度

正直、メサトレイル2の入手難易度は非常に高いと思いました。ネットで検索すればすぐ買えるものの、シューズはフィッティングが大事なので試着無しで購入するのは控えたいところです。

ところが、実店舗に行ってもほとんどどこも扱っていません。ホームページで取扱店舗を探し、訪問してみるもゼロシューズはあってもメサトレイル2はありませんでした。やっと見つけたと思ったら、気になるカラーが無く、試着しようと思ってもサイズ(28〜29cmくらい)がありませんでした。

時期が悪いのか?人気すぎるのか?流通量が少ないのか?テレアポのようにアウトドアショップに電話しまくるも、どこもカラー・サイズがありません。

諦めてビボかアルトラにしようと思いましたが、最後にダメ元で輸入代理店であるケンコー社さんに電話してみることにしました。

「ゼロシューズのメサトレイル2、スチールグレーを29cmまで扱っている大阪のお店はありますか?」

ケンコー社「あいにく大阪近郊の取扱店舗ではご希望の品は在庫がありません。」

「そうですか…ちなみに御社にサンプルでもいいので試着できる品はありますか?」

「確認してきます。」

(数秒後)

「あります。弊社で購入はできませんが、商品の在庫はございます。来られる日時を伺いましたらご用意しておきます。」

との事!!ケンコー社さんは大阪に本社を構える企業です。日時を約束して、早速試着しに行きました。

メサトレイル2にした決め手

ケンコー社さんで念願の試着ができました!

私の足は実寸27.5cmですが、ピッタリサイズは29cmでした。ホント、履いてみないと分からないものです。結構気に入りましたが、即決!というにはちょっと弱い印象。現金ならその場で買えると言われましたが(電話の時と違う…)、持ち合わせも無かったのでその場では買わずに帰ることに。

さて、そんな私がやっぱりゼロシューズのメサトレイル2を購入した決め手は、どちらかというと消去法です。

  • PRIMUS TRAILより耐久性の評判が良い
  • TRAIL GLOVEよりフィット感が良い
  • 市場価格は候補の中では中間の価格帯
  • レトロクラシックなデザインが私の好み
  • ゼロシューズのサンダルを持っていた(贔屓め)

この辺を総合的に比較検討した結果、購入することにしました。

ちなみにケンコー社さんはYahoo!ショッピングの中にオーロラロッジという自社店舗を構えています。試着もできたので安心してコチラから購入させていただきました。

【XERO SHOES ゼロシューズ】M's_メサトレイルII(ベアフット/ハイキング/ローカット) : 22fw-mem : アウトドアグッズのオーロラロッジ - 通販 - Yahoo!ショッピング
メサトレイルはアッパー構造をアップデートし、より進化しました。つま先とサイドウォールの補強を従来よりも薄く、より丈夫で耐久性のある溶着補強に変更しました。またメッシュアッパーも変更しより通気性が向上しました。従来品の良さも受け継ぎ、吸湿発散...

実際履いてどうだったか

お待たせしました。前置きが長くなりましたが、商品到着後、履き慣らしもせずに1泊2日で48km歩いてみた感想をポジティブとネガティブに分けてお伝えしたいと思います。

ポジティブ

・軽く柔らかい

まず思ったのが、非常に軽量な点です。サイズ29cm片足で実測240g。一日中歩いて疲れた脚でも、靴の重みを感じる事なく歩き続けることができました。今回の他の候補に比べてもかなり軽量です。これだけ軽ければ、サンダルで歩くときにバックパックに吊るしても違和感無く歩けます。

そして非常に柔らかいです。柔らかい箇所が一箇所ではなく、クルクルロールできるような柔らかさです。

これが足の色んな動きに追従してくれて、足本来の力をダイレクトに地面に伝えることに一役買っています。

・足裏楽しい

これぞベアフットシューズ!な点ですが、やっぱり足裏から地面のコンディションを感じれるのは楽しいです。木の根っこ、石、地面の柔らかさなど、ダイレクトに感じる事ができます。全身で自然を感じている感覚になります。そして一歩一歩ツボを刺激され、健康になってる気がします。

・ザ・ローテク

シンプルでミニマルなデザインが昨今のハイテクシューズとは一線を賀しており、昔ながらの普遍的なレトロクラシックなデザインで、意外にどんな服装にも溶け込みます。時代の流行りに左右されず、何年、何十年と履ける、まるでコンバースのオールスターやアディダスのスタンスミスのような位置付けだと個人的には感じています。

・ソールの耐久性に期待できる

実際に48km歩いたあとのソールがコチラ

届いたすぐの新品がコチラ

ゴツゴツした岩場でかなり擦った覚えがありますが、ソールの減りが全くありません!私にはそう見えます!!

プライマストレイルFGやローンピークは50kmほど歩くとソールのすり減りが目に見えて分かるというレビューも目にしますが、さすが5,000マイル保証というだけあって、ゼロシューズのソールは抜群に強そうです。頻繁に買い替える予定のない私には、かなりの強みポイントです。

・トゥーガードが丁度いい

メレルのトレイルグローブを履いた時に感じたトゥーガードに爪が当たる感じ。メサトレイル2では全く感じませんでした。程良く柔らかく、クリアランスも十分にあるため、指先を自由に動かすことができ、靴下に穴が開くこともなく歩き続けることができました。

・しっかりホールドしてくれる

実はこの靴、靴紐を通すループがソールから伸びている箇所があります。このループです。

これにより、靴紐を締めた時に足を包み込むようにホールドしてくれるので、足との一体感が生まれます。また、プライマストレイルのようなクイックシューレースには無い、締めたいところ、キツくしたくないところを分けて調整できる点も魅力的です。

どれだけしっかり締めても、つま先に圧迫感が生まれないのも良いところです。

・紐の通し方にこだわり

靴全般に言えることですが、下から上、下から上と紐を通すと緩みにくく、ホールド感が高まると言われていますが、ホームページや届いた新品をよく見ると、紐の通し方が独特です。

上から下→ループ→下から上→ループ→下から上となっています。

実際履いて靴紐を締めてみると、ホールドしたいところはしっかりホールドされ、締めたくないところは余裕を持たせて締めることができます。2日とも緩むことなく歩き続けることができました。履く人のことをとても考えられていると思います。

ネガティブ

とはいえ、ネガティブ面が無いわけではありません。

・岩場の下りは痛い

長所は短所です。ソールが薄いので当然ですが、特に下りで全体重が片足に乗る場面では、そこに尖った岩や木の根っこがあるとかなり痛いです。この靴で行ったことはありませんが、ガレ場には適さないのではないかと思います。

・疲れる

これも当然のこと。クッションが効いたサポート力の強い靴に比べて、自らの筋力に頼る部分が多いため結構疲れます。ただ、今回は2日間でしたが、もう2日くらいなら余裕で歩けそうです。それ以上になったり、もっとコンディションの悪いトレイルでは、サポート力のあるシューズを選んだ方が疲れを軽減できて良いかもしれません。

・思ったより乾きが悪い

今回の山行で片足が川に落ちる場面がありました。靴下から水を絞って歩きましたが、そこからテント場に着くまでの3時間半、乾くことがありませんでした。靴下を履いたままだったからでしょうか?

片足が川に浸かった直後

見た目メッシュなのでもっと早く乾くと思いましたが、メッシュ下にインナー素材があり、思ったより乾きは遅かったです。でもテント場に着いて靴を脱いでいたら2時間くらいで乾きました。

・思ったより通気性が悪い

アッパーのメッシュ下のインナー素材により、メッシュ部分から砂が入ることはありませんでした。これは大きな要因です。恐らく普通のシューズの場合、メッシュ部分から細かな砂が入り込むこともあるでしょう。通気性は悪くなりますが、コレによりシューズ内に異物が入る違和感を軽減できると思います。

ちなみに通気性が悪いとはいえ、蒸れる程の状態にはなりませんでした。程良い通気性はあるようです。

まとめ

一言でいえば、買って本当に良かったです。ネガティブポイントも書きましたが、ベアフットシューズを選んだ時点で分かっていたことでもありますし、速乾性や通気性については、その分寒くなっても使えるということ。雪山や大雨でない限り、サンダルかメサトレイル2しか履かないつもりで購入したので、幅広い季節で履けるのはメリットでもあります。

最後に知名度について。日本でベアフットシューズといえば、2024年6月現在、ビボ、メレル、ゼロシューズ、そして今回紹介しなかったビブラム5フィンガー4大メーカーではないかと思っています。(より安いSaguaroというベアフットシューズが出てきていますが…)

その割に、ゼロシューズのスニーカーは入手難易度が高すぎる!そしてサンダルはともかく、シューズについてはまだまだ知名度が低い!物はとても良いので、マスプロメーカーや中華勢の模倣品が参入してくる前に、流通量を増やして入手難易度を下げるか、宣伝して知名度を上げるかして「ベアフットシューズといえばゼロシューズ」というブランディングを確立してほしい!そんなことを期待しております。

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